生理(月経)の基礎3

前回の生理(月経)の基礎2と重なりますが、
今回は、生理不順(月経不順)のことです。

生理の悩みで多いのは、

『期間が、長すぎるor短すぎる』
『周期が、長すぎるor短すぎる』
『周期が、バラバラで一定しない』

ではないでしょうか?

女性ホルモンバランスの乱れが、上記にあげた原因と考えられます。

生理は、基本的に女性ホルモンの『エストロゲン(卵胞ホルモン)』と『プロゲステロン(黄体ホルモン)』によって
コントロールされています。
実際は、体内のホルモン分泌のメカニズムは複雑です。
脳の『視床下部』、『脳下垂体』、『卵巣』という3つの器官が関係し合ってホルモンが分泌されているため、
そのうちのどれかひとつでもトラブル発生したら、すぐに影響が出てしまいます。

生理不順の原因には、卵巣の発達遅れ、卵巣・子宮に何らかのトラブル、過剰なダイエットが原因の場合になっている事もあります。
でも、圧倒的に多いのは、『精神的ストレス』によるものです。

『生理はストレスバロメーター』と言われているほど、精神的なストレスがホルモン分泌に影響を与え、生理不順をおこす事が多いです。
現在社会では、生理不順の根本的な原因は、『ストレス』といっていいほどです。
一時的に強いストレスを感じただけでも、生理周期が変わってしまうこともあります。

生理不順でも、生理の周期が平均の範囲より多少ズレていても、毎回、排卵がおきていればさほどの心配はいりません。
基礎体温を測り、排卵がおきているか?どうかを調べましょう。

もし、排卵がおきていない場合は要注意が必要です。
無排卵などの原因があるホルモンバランスが崩れたままにしておくと、将来、妊娠しにくくなったり、頭痛、肩こり、
のぼせといった更年期のような症状が早く出たり、閉経が早まって骨粗しょう症や生活習慣病のリスクが高くなる危険性があります。

生理不順の人は、早めにストレスを発散し解消して安定した周期にものしたいものです。
あまりにも、長引くときは、婦人科や心療内科の受診をオススメします。

生理不順にも、さまざまな種類(症状)があります。

☆:稀発月経
個人差がありますが、生理の一般的な周期は、25~38日間です。
39日以上あいだがあく長い周期を『稀発月経』といいます。
原因は、卵巣の働きが不十分で、ホルモンが順調に分泌されていないことが考えられます。

稀発月経でも、排卵があれば妊娠・出産が可能です。
ですが、無排卵周期になっている場合も多くみられ、1~2ヶ月様子をみても周期が長い状態が続くようであれば
婦人科を受診して、血液検査でホルモンバランスの状態を調べてもらったり、基礎体温を測って排卵の有無を調べた方がいいです。

☆:頻発月経
生理の周期が24日以下という短いサイクルになることを『頻発月経』といいます。
原因は、卵巣の働きが落ちているか、ストレスによるホルモン分泌の乱れが考えられます。

プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が不十分で、排卵日から生理が始まるまでの期間が短くなる場合(黄体機能不全)もあります。
プロゲステロン(黄体ホルモン)が不足すると、子宮内膜が十分に成熟しないために、妊娠がしにくかったり、
妊娠しても流産がおこりやすくなったりすることもあります。
将来、妊娠・出産を望んでいる人は、早めに婦人科を受診して、ホルモン分泌の状態を調べることをオススメします。

☆:過長月経と過多月経
生理の期間が、8日以上ダラダラと続く状態を『過長月経』といいます。
原因は、ホルモンバランスの乱れや子宮の病気が考えられます。

ホルモンバランスの乱れが原因の場合は、視床下部、脳下垂体、卵巣などの女性ホルモン分泌に関係する器官に、
なんだかのトラブルがあって無排卵周期になっている。
もしくは、プロゲステロン(黄体ホルモン)分泌が不十分な為に黄体機能不全になっている可能性があります。

また、出血量が増える・経血にレバー状のかたまりが混じる・生理痛が酷い等の症状がみられる『過多月経』の時は、
子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜炎、子宮がん、ポリープなどの病気が原因になっている事もあるので要注意が必要です。

☆:過少月経と過短月経
経血量が極端に少なく、ナプキンの表面に経血がわずかにつく程度で終わってしまうような状態を『過少月経』といいます。
月経が2日以内で終わってしまう場合は『過短月経』といいます。

女性ホルモンの分泌量が少ない為に、子宮内膜の厚みが薄い、もしくは子宮自体の発育不全などのほかに、
甲状腺機能異常が原因の事もあります。
生理があっても排卵のない無排卵月経になっている場合も多いので、長い間、放置をすると不妊症の原因にもなります。
場合によってはホルモン剤などの治療が必要になることもあります。

☆:プレ更年期の生理不順
35歳頃から卵巣の老化が少しずつ始まっています。更年期の前段階のプレ更年期(30代後半~40代ぐらい)で
生理周期が乱れたり、経血量が減ったりといった症状がある人は、閉経に向けての変化が、すでにおこっているかもしれません。
閉経は、普通50歳前後ですから、早くから更年期のような症状が始まると、老化も早くなります。
その為に、不足する女性ホルモンを補う治療が必要な場合があります。

生理不順は、色々な原因や症状がありますので、上記にあげた症状に心当たりが合ったり、症状が長引く時は、
1度、婦人科を受診して相談をされることをオススメします。
その時に、普段から基礎体温表をつけているようでしたら、それを一緒に持っていくことで、
専門家の先生が基礎体温の変化をみて、どの時期に、どのホルモンが不足しているのかある程度の推測が出来るそうです。

婦人科の受診も必要ですが、生活の見直しも大切です。
一番良くないのは、急激に体重を減らすような間違ったダイエットはしないようにしてください。
バランスの取れた食事をして、適度運動をして、十分な睡眠を取って下さい。

そして、生理不順の最大の天敵は、ストレスとの付き合い方も大切です。
ヨガ、アロマテラピー、瞑想などといった自律神経のコントロールにつながることを日常的に行い
身体に優しい生活を心がけるようにしていきましょう。

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